昨今フリーランスという言葉が普及し、「自由にどこでも働ける」「会社員よりも多く稼げる」といったイメージを持つ方も多く、IT未経験だけどフリーランスエンジニアになりたい!!という方も多くいらっしゃると思います。
とはいえネットで見かける、『未経験でも誰でもフリーランスになれる!!』のように、簡単に、誰でも、成功できるほどフリーランスエンジニアは甘いものではありません。
きちんと準備していかないと、イメージと違った。。自由じゃない。。稼げない。。と後悔してしまうことになりかねません。
そんな後悔をしないように、本記事では未経験からフリーランスエンジニアになるためのロードマップを詳細に解説していきますので、是非参考にしてください。
まず伝えたいこと:完全未経験から直接フリーランスエンジニアには絶対なってはいけない!
ロードマップについて説明するまえに、重要なことをお伝えします。
完全未経験から直接フリーランスエンジニアになるのはオススメしません!!
実をいうと、フリーランスエンジニアに”なるだけ” であれば、さほど難しいことではありません。
「パソコンを使いこなせる」などの最低限のITリテラシーさえあれば、何かしらの仕事を受注することが可能でしょう。
ただし、多くの人が思い描くような「時間・場所にとらわれず自由に働ける」ようなフリーランスエンジニアになることはできません。
というのも、完全未経験から受注できる案件例としては、↓のようなエンジニアとしてのスキルが全く身につかない案件がほとんどです。
- PCキッティング業務:手順書に沿ったPCのセットアップ作業
- ヘルプデスク業務:問い合わせ(電話、メール)への対応や、本番障害時の一時対応など
このような案件であっても、50万/月の高額報酬が貰える案件もあるでしょう。
ただ、目先の報酬に飛びついて、これらの案件のみを対応してしまっていると、エンジニアとしてのスキルが身につかず、50万 -> 60万 、 60万 -> 80万 … のように単価アップしていくことができず、年をとるごとに50万の案件すらも受注できなくなり、いつの日か思うように稼げなくなってしまいます。
フリーランスエンジニアになることを目標にするのではなく、フリーランスエンジニアになって理想の生活を手に入れることを目標にすることが重要です。
そのためには、フリーランス転向時に今後のキャリアアップが見込める案件を獲得する必要があり、良い案件を獲得するためには実務経験を積んでからフリーランス転向することが本当に大事になります!!
未経験からフリーランスエンジニアになるためのロードマップ
前項までで、「未経験から直接フリーランスエンジニアになるべきではない」とお伝えしました。
ではどのようにフリーランスエンジニアを目指していくか、のロードマップについてお話していきます。
1. 会社員エンジニアになる
前述したとおり、フリーランスエンジニアとして成功するためには、まず実務経験を積むことが何よりも大事です。
実務経験を積む一番簡単かつ効率的な方法は、会社員エンジニアになることです。
自社開発企業・SES企業など、様々な企業がありますが、最終的に独立を目指すのあれば、そこまで差はありません。
何より重要なのは、開発経験(プログラミング経験を含む)が積める会社なのかどうか です。
システム開発を行う企業であっても、開発業務は下請け企業に任せているケースも多く、そのような企業に入社してしまうと、他社で通用する普遍的なエンジニアスキルが身に付きにくいです。
入社後に開発経験を積むことできるか、必ず確認してから入社するようにしましょう!
ホワイトSES企業の見分け方
会社選びに迷った方へ。エンジニアスキルをしっかりと身に着けることを考慮すると、SES企業も選択肢としておすすめです。
世間的には、SES企業は悪いイメージが強いかもしれませんが、私自身はSES企業で経験を積んでからフリーランスに転向しました。
以下の記事で、SESがおすすめの理由を詳細に解説していますので、会社選びに悩んでいる方は是非参考にしてみてください。IT業界の構造・闇部分にも触れていますので、イメージアップにもつながると思います。
会社員として実力をつけながらフリーランスエージェントサイトに登録しておく
しばらくは、会社員エンジニアとして、システム開発におけるスキルを身に着ける期間になります。
その間にフリーランス転向を見据えてエージェントサイトに登録しておくとよいでしょう。
※エージェントを利用することによるメリット/デメリットは、こちらの記事で紹介しています
エージェントはフリーランスの案件を紹介してくれる上、営業や面倒な契約の手続きなどを代行してくれるサービスで、フリーランス転向直後はエージェント経由で案件受注する人がほとんどです。
フリーランス転向直前に登録する人が多いですが、登録することで↓のような案件が見れ、フリーランスにおける実際の仕事をより具体的にイメージすることができるので、早めに登録しておくことをおすすめします。
引用元:Midworks案件一覧
もちろん、案件の契約はしなくても大丈夫なので、案件のイメージアップや、単価相場感を掴んでおきましょう。
そして、フリーランスになる際に獲得したい案件を当たりをつけ、受注するために必要なスキルがどのようなレベルかを確認しましょう。
具体的なイメージをもったうえで、最短経路でそこに向けてスキルアップしていきましょう。
実務経験を2年目安で積む
会社員エンジニアに転職できたら、実務経験を最低2年ほど積み上げましょう。
実務経験が2年あるエンジニアの市場価値は高く、フリーランスエンジニアとしては月収60万円以上の案件を受注することも可能です。
1年でもフリーランスになることは可能ですが、スキルアップに繋がるような案件は受注しにくく、感覚としては2年の経験はあった方が安心です。
エンジニアなりたてだと、わからないことがだらけで、多少つらいこともあるかもしれませんが、最初は誰しもが通る道です。
実務経験という経歴をつくり、しっかりとスキル習得を行っていくことが、フリーランスエンジニアになったときに何よりも活きていきます。
フリーランスとして案件を獲得する
しっかりとエンジニアとして実務経験を積んだら、フリーランスエージェントを利用して案件を獲得しましょう。
最初は不安だと思いますが、フリーランスエージェントサイトを利用すれば、無料でカウンセリングができ、以下のようなことを相談できます。
- 具体的な案件の紹介や、受注できそうな案件の報酬金額
- フリーランスの契約関連について
- フリーランスとして仕事する上で成功するための方法や注意点
- キャリア相談
カウンセリングを終えると、実際に案件を紹介してくれます。
もちろん、相談だけしてサービスを利用しないこともできますので、上手に活用していきましょう。
フリーランスを目指す際に気を付けるポイント
1つの開発言語を長く経験したほうがよい
フリーランスエージェントサイトで実際に案件を見てみるとわかりますが、募集要項で「Javaの経験〇年」のように、ある程度の経験年数が求められることも多いです。
そのため、「Java2ヶ月、PHP4ヶ月、Go6ヶ月」のように様々な言語を経験しているよりも、 「Java1年」のように1つの言語を長く経験しているほうが、案件が決まりやすい傾向にあります。
上司等に相談して、1つの言語を長く極められるように、現場配属先を交渉するとよいでしょう。
開発工程は一通り経験したほうがよい
システム開発は、以下のような工程ごとに分かれており、一つの工程だけではシステムは完成しません。
- 要件定義
- 設計(外部設計 / 内部設計 / 詳細設計)
- 開発(プログラミング / インフラ構築)
- テスト
- リリース
フリーランス案件の単価としては、「プログラミングしかやらない案件」よりも「設計~リリースまで行う案件」のほうが単価が高い傾向にあります。
しかし、基本的にフリーランスは経験のある工程しか案件を受注できません(企業目線で考えると、設計の経験がないフリーランスに高いお金を払って設計をやらせたくないですよね。)
そのため、プログラミングしか経験がない状態でフリーランスに転向してしまうと、単価をあげるために設計も経験したいが、そもそも設計が行える案件を受注できなくなってしまい、手詰まりになってしまうリスクがあります。
会社員であれば、むしろ会社は社員を育成して全工程を対応できるプロフェッショナルに成長してほしいと考えるのが普通なので、積極的にチャレンジさせてくれるはずです。
複数工程を経験しておくと、フリーランスになったときに大きな差になりますので、積極的に経験を積んでおくようにしましょう。
まとめ
以上、未経験からフリーランスエンジニアになるためのロードマップ を紹介しました。
フリーランスエンジニアは、会社員に比べて、資格も学歴を不要にもかかわらず、大いに稼げる可能性があります。
私自身フリーランスに転向して、会社員時代よりも月収は3倍程度に増えました。
ただ、そこには自分自身の力で稼がないとならない責任がつきまといます。
きちんとした準備もなくフリーランス転向してしまうと、予想もできない後悔に繋がってしまうかもしれません。
せっかく勇気を出して人生を変えようとしているのですから、それが良きものになるように、しっかりと準備をしてから望んでください。
本記事を参考にしていただくことで、みなさまのフリーランス転向が、人生をより豊かにするための第一歩に繋がることを祈っています!
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