未経験でエンジニアになりたいんだけど、SESってどうなの?
調べると「やばい」「闇」「やめとけ」とかばかり出てくる、、
未経験からSESに就職するのは辞めておいた方が良いのかな?
未経験からエンジニアを目指すなら、むしろSESはオススメできるんだ。
『SESはやばい』『SESは闇』のネット情報に騙されないようにしよう。
ということで、本記事では新卒からSES企業に入社して8年勤めた元SESが、
・SESやばいは嘘
・エンジニアへの入り口として、むしろSESはおすすめ
の理由を実体験を交えて解説します。
この記事を読むことで
・SESが闇と呼ばれている理由
・実はエンジニア未経験にSESがおすすめな理由
が理解できますので、
未経験や、新卒でSES企業に就職に迷われている方は、是非参考にしていただければと思います。
SESってなに?
本題に入るまえにSESについて少し説明します。
SESは『System Engineering Service』の略で、
システム開発を行う現場において、エンジニアの労働力を提供する契約 をSES契約と呼びます。
・クライアント企業は規模が大きいシステム開発案件を扱っている。ただし開発者が足りていないのでSES企業から人材を派遣してもらう
・SES企業は中小・小規模企業が多く自社案件は扱っていないので、クライアント企業にエンジニアを派遣して売上をあげる
というような関係性になっています。
つまりSES企業とは、自社で開発は(基本的に)行っておらず、開発を行っている別企業にエンジニアを派遣している会社で、SESエンジニアについて特徴をまとめると以下のようになります。
SESが闇と言われている理由
SESについてネットで調べてみると、
『SESは闇』
『SESはやばい』
『SESやめとけ』
などネガティブなワードが多く出てきます。
何故『SESは闇』と言われているかを、元SESの目線で実体験も含めて考えてみました。
闇の要素1:収入が低い
闇と言われる一番の理由は、収入面が多いです。
これは、IT業界の構造上、SESエンジニアがもらえる給料が少なくなりがちなのが原因となっています。
SESエンジニアがお金を受け取るまでの流れを見てみましょう。
上図はシステム開発におけるお金の流れを簡単に説明した図です。
元請け企業が高額で受注したシステム開発には膨大なエンジニアが必要になります。元請けだけではエンジニアの確保が難しいので、下請企業にエンジニア調達の依頼がいく。という流れになっています。
間に挟まる企業が多ければ多いほど、中間マージンが発生しますし、所属のSES企業によるピンハネもあります。
末端のSESエンジニアの意見としては、『システムの根幹を支えているのは私たちなのにもらえる報酬は一番少ないのはおかしい!!』 という悲痛の叫びが起きることに繋がっています。
闇の要素2:スキルが全く身につかない(場合がある)
SESエンジニアの案件は様々です。
『先進技術を使用した華々しい開発案件』もあれば『ヘルプデスクのようなサポート業務』もあります。
何がいいかは人それぞれですが、これからエンジニアになりたい人が気になるのは『エンジニアのスキルが身につくかどうか』ではないでしょうか?
先ほど例にあげた『ヘルプデスク業務』では、システムの設計や開発には携われないので、エンジニアのスキルは身に付きません。
このようにSES案件の中にはエンジニアスキルが全く身につかないものもあります。
そんな案件を何年もずるずると続けてしまい、いざ案件が終了してから他案件を探そうとしてもスキルがなくて案件が見つからない となってしまったSESエンジニアも多くいます。
闇の要素3:(常駐先次第で)めちゃくちゃハードワーク
SESの労務状況は、常駐先企業の状況に左右されます。
常駐先が余裕を持った開発スケジュールで進めていれば労務も安定しますが、
スケジュールが遅れていたり、エンジニアの人数が足りていないような案件だった場合は、引きずられて労務状況が悪化しがちです。
SES企業(エンジニアの所属会社)でも労務状況の管理はしますが、管理職がいない現場も多く、ずるずると残業続きになってしまう。ということが多々あります。
労務状況がめちゃくちゃ悪い現場に配属され、心身共に疲弊してしまい鬱になってしまった というエンジニアも実際いらっしゃるようですね、、
闇のSES企業は確かにある。けどちゃんと選べば大丈夫
ここまで元SES目線で、闇と言われる理由を紹介してきました。
SES企業は無数にあります。
確かに、数ある中には前述したような闇のSES企業もありますが、ほとんどはエンジニアが成長できる普通のSES企業です。
闇のSES企業かどうか、会社ホームページや求人サイトでしっかり見極めることが重要です
しっかり見極めて、普通のSES企業に入社することができれば、
エンジニアとして成長できる環境が整っており、むしろSESであることのメリットのほうが多くなってきます。
ホワイトSES企業の見分け方
闇のSES企業かどうかの見分け方については、以下の記事で詳細に解説しています。
ホワイト企業を確実に見定めて、SES企業への入社を成功させたい人は是非こちらもご覧ください。
SES企業で働くメリット
ネットでSESについて調べると、ネガティブな要素が目立って取り上げられていますが、実際はSES企業にはエンジニアとして成長できる要素が多く揃っています。
SESがおすすめの理由1:未経験や文系出身でも就職できる
エンジニアは、専門的な知識やスキルが必要な仕事なので、就職に開発経験が求められる場合も少なくありません。
その点、SES企業は未経験や文系出身の方でも積極採用している会社が多くあります。
多くのプロジェクトに携わるSES企業は、テストや簡単なコーディング作業など、実務経験がないエンジニアでも担当できる案件を多く保有しているからです。
初心者が独学でシステム開発を学ぼうとするのには限界がありますよね。
SES企業に入社することで、貴重な開発経験を積みやすくなりますし、多種多様なシステム開発を経験できることでしょう。
SESがおすすめの理由2:エンジニアの教育体制が整っている
未経験や文系出身の方でも積極採用しているSES企業では、充実したエンジニア教育体制が整っている企業が多くあります。
『新卒向けや中途採用向けなどキャリアに応じた研修』
『先輩エンジニアとセットで配属され、実際の仕事を通じて学べるOJT制度』
『外部研修費を会社が負担するスキル習得の支援制度』
などなど
会社員として給料をもらいながら、エンジニアとしてのキャリアアップすることができます。
これらの教育サポートを有効活用することで、未経験から優秀なエンジニアにステップアップしていくことができるでしょう。
SESがおすすめの理由3:資格手当が充実している
SES企業には、案件受注に有利になるような資格を取得すると、手当がつくところも多いです。
私が知っている企業では、
・基本情報技術者:10万
・応答情報技術者:30万
・高度情報技術者:50万
のような高額報酬を出している企業もありました。一時金ではなく毎月の給与に反映されるパターンもありますね。
資格保有率をあげることは、会社とってもエンジニア力の証明に繋がるため、重視している企業が多いです。
エンジニア本人にとっても、資格取得はスキル習得の一貫として欠かせないですし、スキルアップして更に報酬も貰えるのは、モチベーションを保ちやすいですね。
SESがおすすめの理由4:エンジニアスキルが体系的に身につく
先に述べたように、SES企業ではエンジニアの教育体制が整っている企業が多いです。そのような企業では、駆け出しエンジニアを案件に携わせる場合も、
『最初は簡単なテストやコーディング業務』
『次にシンプルな機能の設計業務』
『徐々にレベルアップして、次は要件定義』
のようにエンジニアの力量にあわせて担当させる案件の難易度をあげていきます。
これはSES企業側として、自社の社員を育成する目線として必ず考えることですし、逆に出来ない仕事を無理やりやらせるようなことは、クライアントの信頼を失わないためにも絶対にしません。
このようにSES企業で働くと、システム開発のノウハウをステップアップ式に習得することができ、エンジニアスキルを体系的に身に着けることに繋がります。
優良SES企業に入社してエンジニアのキャリアを積もう
闇のSES企業 と 普通のSES企業のメリット について紹介してきました。
SES企業はネットでのネガティブ要素が独り歩きして、SES企業=悪 のような悪いイメージを持っている方も少なくないと思います。
ですが実際は、普通のSES企業では、エンジニアの基礎を学べ、給料をもらいながらスキルアップしていくことができます。
エンジニア挑戦の入り口は色々あるとは思いますが、
私は、まずはSES企業で働いてエンジニアとしての自力をしっかりつけることも、
とても良い選択肢かなと思っています。
エンジニアとして自力をつけて、見える世界を広げることができれば、
・そのままの会社で昇進を目指す
・自社開発などの、別の会社へ移る
・フリーランスになる
などいくらでも選択肢が広がりますよ。
私は実際にSESとして8年やったことで、フリーランスとして働ける自力がついて、独立することができましたので、その経験から今回紹介をさせていただきました。
この記事を読んでいただいた方が、SES企業について少しでも理解が深まって、エンジニアキャリアのスタートの一助になっていれば幸いです。
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