SES企業はGoogle検索すると「やばい」「闇」がサジェストで出てくる通り、ブラックな企業が多そうで、入社を躊躇している方も多いと思います。
しかし、実際にはSESは初心者にとって技術を吸収しながら働ける環境ということがあり、オススメできる業界です。
※SESが初心者におすすめの理由を知りたい方は、↓の記事で詳細に解説していますので併せてご覧ください。
特に近年では、働き方改革が進み、IT人材不足を解消させるべく、ホワイトな企業が急増しています。
とはいえ、ブラックな企業がまだまだ残っていることも事実で、折角おすすめできるSES業界でも、ブラックな企業に入ってしまっては、エンジニア人生が大きく狂わされてします。
そこで本記事では、エンジニアを目指している方に向けて、ホワイトなSES企業の見極め方・見分けるためのポイントを紹介していきます。
SES企業に8年勤めて、自社・他社ともに多くの企業を見てきた実体験を元に徹底解説していきますので、是非参考にしていただければ幸いです。
そもそも何をもってホワイトとするか
ホワイトSES企業の条件
SES企業の見分け方を解説していく前に、何をもってホワイト企業とするかの、条件を見ていきましょう。
人によって様々な要素があるとは思いますが、ホワイト企業と呼ばれている企業の特徴をピックアップしてあげてみます。
平均年収が高いこと
貰える給料が多いことが嬉しいのは勿論ですが、更にSES企業においては、
給料・ボーナスが多い = 商流が浅い(1次請けや2次請け) ということの証明になります。
商流が浅い案件のほうが、上流設計~開発まで手広く担当できる可能性が高いことから、案件において学べることが多く、エンジニアスキルが身に付きやすいことに繋がります。
単に給料がいっぱいほしい!という理由だけでなく、エンジニアとして働きやすく成長しやすいという点でも、平均年収が高いことは重要になります。
エンジニアの教育環境が整っていること
SES企業は、他のIT企業に比べて、未経験や新卒を積極採用しているため、
未経験社員に対する教育環境が整っているかどうかは、会社としてどれだけ人材を大切にしているかを判断する基準になります。
・新卒向けの技術研修が充実しているか
・技術イベントや外部研修費用を負担してくれるか
・現場配属は先輩社員とセットで、OJT(On the Job Training)を取り入れているか
などなど、これらの教育環境が充実していれば、現場で通用するスキルが身に着けやすいです。
エンジニアを目指す以上は、将来的に転職や独立したとしても、エンジニアとして独り立ちできるだけのスキルを身につけたいですよね。
キャリアパスがしっかり定義されている
会社としてキャリアパスや評価制度がしっかりと整備されていることも、エンジニア目線では重要です。
前項で、「エンジニアとして成長していくことが重要」と説明しましたが、自分自身で成長を客観的に評価するのは中々難しいものです。
会社が、キャリアパスをはじめとした評価制度をしっかり定めていれば、それに沿って自分の成長を棚卸しすることができますし、
自分がエンジニアとして目指したい地位をしっかりとイメージして、そこに向けてスキルアップすることに繋がります。
また、これらの評価制度があるかどうかは、会社としてどれだけ人材を大切にしているかを判断する基準にもなりますね。
取引先企業が優良企業である
SES企業に勤めた場合、ホワイトな環境で働けるかどうかは、常駐先企業によって大きく左右されることになります。
そのため、取引先企業が優良な企業であることも重要です。
『有名な企業との取引=ホワイトな環境!』
が必ず成り立つわけではありませんが、
優良企業との取引実績が多いということは、会社として営業力があり商流が浅い案件を保有していることの証明になります。
ホワイト企業を見極める方法
応募前と選考中それぞれの視点で見極めよう
ここからは、ホワイト企業の見極め方について紹介します。見極める際には、
「企業に応募する前に事前調査するポイント」 と 「選考中に直接確認するべきポイント」
に分けてきちんと見極めていくことが大切です。
選考”前”に事前調査するべきポイント
事前確認には、企業のホームページと採用ページの情報から見極めていきましょう。
見極める際の重要ポイントは以下です。
取引先企業の実績
取引先企業をチェックすることで、SES企業としての収益性やエンジニアとして成長できる案件を扱っているかどうかが判断できますので、必ずチェックしましょう。
具体的にチェックするうえで重要なポイントは以下3つあります。
1.取引先企業の情報がそもそも公開されているか
まずは、具体的な実績が会社HPなどに公開されているかを確認しましょう。
取引実績は、会社としての技術力の証明に繋がるため、基本的に公開されていることが多いです。
逆に実績が公開されていなかったり、面接で質問しても良い回答が得られなかった場合は、ブラック企業の可能性が高いので注意が必要です。
2.エンドユーザ企業の取引実績があるか
エンドユーザー企業との直接取引があるかどうかも確認したいポイントです。
SES企業として規模が大きい会社であれば、下請けとしてだけではなく、元請けとしても案件受注をしていることがあります。
商流が深い下請けの案件ばかりを担当している会社より、ユーザー企業との直接取引を行っている会社の方が、担当できる業務も幅広く、給与も高いことが多いです。
3.大手SIer企業との取引が豊富か
元請け案件が仮に無かったとしても、大手SIer企業との取引が豊富であれば、商流が浅い案件を豊富に扱っていると判断できます。
逆にあまり有名でない、SES企業との取引が目立つようであれば、商流が深く、低利益の仕事ばかりを扱っている可能性があります。
商流が深くなればなるほど、仕事における裁量がなく、言われたことをこなすだけになってしまいがちですので、
商流が浅い案件が多く、色々なことが学べる企業を選ぶようにしましょう。
人材育成への取り組み
企業によっては、エンジニア人材の育成への取り組みを紹介しているところも多く、
特に採用情報のページで紹介されていることが多いです。
・人材育成をどのように行っているか
・会社として人材評価制度が整っているか
・キャリアパスを定めているか
などが確認できるので、そのSES企業が人材育成に積極的で人材を大切にしているかどうかを判断しましょう。
資格取得支援への取り組み
企業の採用ページには、資格取得支援の取り組みを紹介している企業もあります。
その中で特に見るべきポイントは、『資格手当金の手厚さ』と『資格ごとの保有率』です。
・資格手当金の手厚さ
単純に金額が多いほど嬉しいのはもちろんですが、
『資格手当が多い=人材育成に力を入れている』と判断することもできます。
資格保有率を上げることは、SES企業としての技術力証明にも繋がるので、人材育成への投資を重要視していることがわかります。
・資格ごとの保有率
資格の保有率を見ると、会社全体としての技術への関心の高さがわかるのと、保有している案件の傾向を推測することができます。
例えば、AWSなどのクラウド系資格の保有率が高いようであれば、クラウド案件が多い可能性が高いですし、
ORACLE系の資格保有率が高ければ、インフラ・DB系の案件が多い可能性が高いですね。
また、技術系の資格保有率がそもそも低い場合は、会社として開発業務を行う案件はあまり扱っておらず、
設計業務や品質管理系の案件が多い傾向があります。(設計やテストのみを担当し、開発は別会社に発注している会社もあります)
自身がIT業界に飛び込んでいく理由と照らし合わせて判断するようにしましょう。
例えば、「エンジニアとして手に職をつけかったのに、設計だけでプログラミングをやらない企業に入社してしまった」のようにならないように注意しましょう。
給与/平均年収
これは言わずもがなですが、企業の平均年収は確認するようにしましょう。
入社直後の短期的な金額だけではなく、5年後・10年後がどうなっていそうかまで判断できるとよいですね。
繰り返しにはなりますが、
給料・ボーナスが多い = 商流が浅い(1次請けや2次請け) ということの証明になります。
単に給料がいっぱいほしい!という理由だけでなく、エンジニアとして働きやすく成長しやすいという点でも、平均年収は意識するようにしましょう。
会社のホームページ等だと把握しきれないことも多いと思いますので、企業の口コミサイトを活用して、社員・元社員の実体験を参考にするのも良いでしょう。
選考”中”に詳細確認するべきポイント
現役社員がキャリアプランを考えられているか
選考中や、内々定後に会社が現役社員と実際に話せる場を設けてくれることがあります。
場を設けてくれる時点で企業として高評価ですが、貴重な場を逃さずに自分によって有益になる質問をするように心がけましょう。
質問としておすすめなのは、「キャリアプランをどう考えているか」を確認することです。
行動計画までは聞かずとも、将来的にどのようなエンジニアになっていきたいと考えているのかを現役社員に確認してみましょう。複数人に聞ける機会があればベストですね。
人による部分はありますが、具体的なイメージアップができているようであれば、成長意欲が高いエンジニアが多かったり、会社主導でしっかりと成長計画を促していたりなど、成長しやすい環境が整っている可能性が高いです。
逆にあまり具体的に考えられていなそうであれば、惰性で働いている人が多い会社である可能性が高いですね。
自社作業の割合・内容
SESは業務時間のほとんどは客先でのシステム開発になるので、「自社作業ってどんなものがあるんだろう?」と思った方も多いと思います。
代表的な自社作業の例
・日報/週報
・面談
・社内会議/議事録作成
・進捗報告
・プロジェクト改善
・委員会(コンプライアンス管理やセキュリティ管理など)
・帰社
どうでしょうか?意外と量がありますよね。
これらはあくまで代表例で、自社作業がどれだけあるかは、企業間によってかなり差が出てきます。
月に30分程度しかない企業もあれば、月に数日単位で作業が発生する企業もあります。
ただ、少なければ少ないほど良いかというと、会社としてのフォロー体制が無さすぎるのも考えものなので、自社作業の量も重要ですが、同じくらい質も大事です。
「自社作業の量はどれくらいありますか?」だと少し角が立って聞きにくいという方は、
「客先業務がメインになると思いますが、会社のサポート体制はどのようなものありますか?」
などと確認するようにしましょう。
自社作業の量はSES企業ならではの特徴 になるので必ず確認しましょう。
優良SES企業をしっかり見極めエンジニアとして成長しよう
今回は「ホワイトなSES企業の見極め方・見分けるためのポイント」を紹介してきました。
まとめると以下の6つになります。
1.取引先企業の実績
2.人材育成への取り組み
3.資格取得支援への取り組み
4.給与/平均年収
5.現役社員がキャリアプランを考えられているか
6.自社作業の割合・内容
SES企業はエンジニアを目指す初心者が成長できる要素が多く揃っている反面、企業の数が膨大で選ぶ企業によってはエンジニア人生を大きく左右するほど、重大な選択です。
今回紹介した見極め方法を活用すれば、ブラック企業に間違って入ってしまうことはなくなり、成長できるホワイト企業を見つけることができるはずです。是非活用してください。
SES企業は闇ではなく、しっかりした企業に入社すれば、エンジニアとして確実にスキルアップでき、その先の選択肢も無限に広がっていきます。
これからエンジニアを目指す皆様が、ホワイトSES企業に入社するために、この記事が活かしていただければうれしいです!
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